こんにちは。Luxury World Watches(ラグジュアリー・ワールド・ウォッチ)の編集長です。
カルティエの時計は長く使えるからこそ、いざメンテナンスを考え始めると、正規のオーバーホール料金はいくらなのか、期間はどれくらいかかるのか、修理料金の内訳はどうなっているのかなど、気になることが一気に出てきますよね。ここ、悩む方が本当に多いところです。
この記事では、カルティエ時計を正規でオーバーホールする場合の料金の考え方を中心に、期間や修理費用の仕組み、日常メンテナンスのポイントまで、迷いやすい点を分かりやすく整理していきます。
読み終える頃には、正規に出すべきケースと、別の選択肢を検討してもよいケースの判断軸が、かなり明確になるはずですよ。
- カルティエ時計の正規オーバーホール料金の目安
- オーバーホール期間と納期の考え方
- 修理料金の内訳と追加費用が出る場面
- 正規と民間修理の違いと選び方
カルティエ時計の正規オーバーホール料金

LUXURY WORLD WATCHES:イメージ
カルティエ時計のオーバーホール料金相場

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カルティエの正規メンテナンスで、一般的にオーバーホールと呼ばれているのがメーカー公式のコンプリートサービスです。ここ、いちばん気になりますよね。
料金の考え方を理解しておかないと、「思っていたより高い」「なぜこの金額になるの?」と戸惑いやすいポイントでもあります。
まず大前提として、カルティエの正規オーバーホール料金はモデル名ではなく、ムーブメントの種類と複雑さによって決まります。つまり、同じタンクであってもクォーツか機械式かで料金帯は大きく変わりますし、クロノグラフやムーンフェイズといった機構が加わると、さらに上のレンジに移行します。
一般的な目安として、クォーツのシンプルな3針モデルは約4〜5万円前後、機械式の3針モデルは約6〜7万円前後が中心帯です。ここにクロノグラフなどの複雑機構が加わると8万円以上になることも珍しくありません。
さらに、トゥールビヨンや永久カレンダーといった高度な複雑機構になると、料金は一律ではなく要見積もりとなり、国内では対応できずスイス本国送りになるケースもあります。
この価格帯を見て「高いな」と感じる方も多いと思いますが、正規サービスの特徴は、単なる分解掃除ではなく、時計をメーカー基準まで戻すことを目的としている点です。状態によってはムーブメント単位での交換が行われることもあり、その場合は“新品に近い性能”を取り戻すイメージになります。
押さえどころ:正規のオーバーホール料金は、シリーズ名よりもクォーツか機械式か、そして複雑機構の有無で大きく変わります。見た目が似ていても中身で価格が変わる、これが基本です。
なお、これらの金額はあくまで一般的な目安です。カルティエではサービス料金の改定が行われることもありますし、時計の状態次第で交換部品が増減します。正確な最新料金は、必ず公式サービス窓口での確認が前提と考えてください。
最終的な判断は、見積もり内容をしっかり見たうえで決めるのがおすすめですよ。
カルティエの正規オーバーホール期間と納期

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カルティエの正規オーバーホール期間は、一般的に6〜12週間程度が目安になります。「思ったより長い」と感じる方も多いかもしれませんが、これには理由があります。
正規のコンプリートサービスでは、ムーブメントの分解整備だけでなく、外装のクリーニング、防水検査、精度検査など、複数の工程を段階的に行います。特に最終段階の精度チェックや動作テストは、数日から1週間以上かけて実施されることもあり、ここが納期を押し上げる要因になります。
もうひとつ重要なのが、「見積もり提示 → 承認 → 作業開始」という流れです。カルティエでは、正式見積もりが出たあと、依頼者が承認してから修理が進行します。あなたが承認するまで作業が止まるため、返信が遅れるとその分納期も後ろ倒しになります。
さらに、部品在庫が国内にない場合や、特殊なモデルの場合はスイス本社送りになることもあり、その場合は数か月単位で時間がかかるケースもあります。長期休暇前後や繁忙期は受付が混みやすいので、日常使いの時計ほど、余裕をもって依頼するのが安心かなと思います。
注意:あまりにも短納期をうたう修理先の場合、精度テストや防水検査の工程が十分に確保されているか、一度立ち止まって確認したほうが安心です。
納期は時計の状態やモデルによって変動します。あくまで目安として捉え、正確なスケジュールは正式見積もり時に確認してください。急ぎの場合は、その旨を最初に伝えておくと調整できるケースもありますよ。
カルティエ時計の修理料金と内訳

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カルティエの修理料金を考えるうえで、いちばん誤解されやすいのが「オーバーホール料金=最終支払額」だという思い込みです。
ここ、かなり大事なポイントですよ。実際の請求額は、基本となるオーバーホール料金に、必要と判断された修理・部品交換の費用が積み上がる形で決まります。
正規サービスでは、時計を分解したうえで一つひとつの部品状態をチェックし、カルティエの基準に満たないパーツは交換対象になります。代表的なのが、リューズ、巻真、パッキン、風防ガラス、歯車類、クォーツモデルであれば電子回路やコイルなどです。
これらは「壊れているから交換」というより、今後の安全性と精度を確保するための予防交換という意味合いが強いです。
そのため、「まだ使えているのに交換されるの?」と感じるケースも正直あります。ただ、メーカー正規の立場では、再発リスクを残したまま返却することはできません。これはユーザー保護の側面もありますし、後々のトラブルを防ぐ意味でも合理的な判断だと私は思います。
修理料金が上がりやすい代表的なケース
実際に見積もりが想定より高くなりやすいのは、次のような条件が重なった場合です。
- 長期間オーバーホールをしていない(5年以上)
- リューズ操作が重い、または空回りする
- 防水性能が落ち、水気にさらされた可能性がある
- 落下や強い衝撃の履歴がある
- 過去に非正規修理を受けている
これらに心当たりがある場合、複数部品の交換が必要になり、結果として総額が上がりやすくなります。逆に、定期的にメンテナンスされてきた個体は、基本料金内、もしくは軽微な追加で収まることも珍しくありません。
覚えておきたい視点:修理料金が高くなる=損、ではありません。長年溜まったダメージを一度にリセットしていると考えると、納得しやすいですよ。
見積もりを受け取ったときのチェックポイント
正規サービスから見積もりが届いたら、そのまま承認する前に、私は次の点を必ず確認することをおすすめしています。
- 交換部品ごとに理由が明記されているか
- 「必須交換」と「推奨交換」が区別されているか
- 今回は見送れる作業があるか
カルティエの正規対応でも、ケースによっては相談ベースで調整できることがあります。たとえば、外装部品の交換や仕上げを見送ることで費用を抑えられる場合もあります。遠慮せず、疑問点はきちんと質問したほうがいいです。ここ、意外と大事ですよ。
なお、クォーツモデルの場合は、必ずしも毎回オーバーホールが必要とは限りません。状態次第では電池交換のみで対応できるケースもあります。判断基準については、こちらの記事で詳しく解説しています。カルティエ時計の電池交換の方法と正規店・専門店の選び方
最後に強調しておきたいのは、修理料金や部品代はすべて個体ごとに異なるという点です。ネット上の金額は参考情報に過ぎません。正確な費用は見積もり確定後に初めて分かるものなので、最終判断は必ず正規サービス窓口、もしくは信頼できる専門家と相談したうえで行ってください。納得感を持って進めることが、後悔しないいちばんの近道です。
カルティエ時計のオーバーホール作業内容

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カルティエ正規のコンプリートサービスは、「分解掃除」という言葉から想像される以上に、作業内容が多岐にわたります。時計を一度バラして終わり、ではなく、メーカー基準に戻すための総合メンテナンスという位置づけです。
まず行われるのがムーブメントの完全分解と洗浄。古い潤滑油や微細な汚れを取り除き、摩耗した部品があれば純正パーツに交換されます。その後、新しい潤滑油を適切な箇所に注油し、再組立と精度調整が行われます。
さらに、ケースやブレスレットのクリーニング、ライトポリッシュが含まれるのも正規ならではです。小傷を可能な範囲で整え、見た目の印象もリフレッシュされます。ただし、研磨できない素材や、エッジを残す必要がある場合は制限がかかることもあります。
最後に、防水性能の回復と精度検査。パッキン交換後に防水テストを行い、数日間の動作チェックを経て問題がなければ返却されます。この工程があるからこそ、納期が長くなるわけですね。
| 主な工程 | 目的 | 要チェック点 |
|---|---|---|
| 分解・洗浄・注油 | 摩耗抑制と精度回復 | 部品交換で費用が変動 |
| 外装クリーニング・ライトポリッシュ | 見た目の改善 | 素材によって制限あり |
| パッキン交換・防水検査 | 防水性の回復 | 経年劣化に注意 |
| 精度検査・動作チェック | 品質担保 | 検査期間が納期に影響 |
カルティエの正規オーバーホール保証

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正規オーバーホール最大の魅力は、やはりメーカー保証の安心感です。オーバーホール完了後にはアフターサービス保証が付帯し、保証期間内に不具合が発生した場合、無償で再調整や修理対応を受けられるケースがあります。
高級時計は「直して終わり」ではなく、使い続ける中で微調整が必要になることもあります。そうしたときに、追加費用を気にせず相談できるのは大きなメリットです。また、正規での整備履歴が残ることで、将来的に売却や譲渡を考えた際の評価にも影響します。
ただし、保証には適用条件があります。落下や水没など、使用上のトラブルは対象外になる場合もあるので、引き渡し時の保証内容は必ず確認してください。
資産価値や整備履歴を重視するなら、正規オーバーホールと保証は大きな意味を持ちます。
カルティエ時計の正規オーバーホール料金の比較

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カルティエ正規と民間修理の料金差

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民間の時計修理専門店は、料金面だけを見ると正規より安いことが多く、正規の半額前後で提示されるケースもあります。納期も短めなので、コストとスピードを重視する方にとっては魅力的に映りますよね。
ただし、その料金差の背景には理由があります。純正部品の使用有無、交換範囲、検査工程、保証期間などが異なるため、単純に金額だけで比較するのは危険です。民間でも優れた技術者はいますが、店舗ごとに品質差が出やすいのも事実です。
私が見るポイントは、見積もり内容の透明性、保証条件、過去の実績の提示。この3点が揃っていない場合は、慎重になったほうがいいかなと思います。
注意:極端に安い場合は、純正部品か代替部品か、仕上げ工程が含まれるかなど、条件を必ず確認してください。最終判断は専門家への相談が無難です。
カルティエ時計のオーバーホール依頼方法

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カルティエの正規オーバーホールを依頼する方法は、大きく分けて3つあります。ブティックへの直接持ち込み、正規取扱店を通じた依頼、そしてオンラインや郵送によるサービス依頼です。
どれを選んでも、最終的な修理内容や料金、保証条件は同じメーカー基準で統一されているので、「どのルートが正解」というより、あなたの生活スタイルに合うかどうかで選ぶのがいちばんです。
ブティック持ち込みが向いているケース
カルティエのブティックに直接持ち込む方法は、初めて正規オーバーホールを依頼する方にとって、いちばん安心感があります。専門知識を持ったスタッフと対面で話せるので、時計の状態や不安点をその場で共有できます。
「最近遅れが出てきた」「リューズの感触が変わった」「防水が心配」など、言葉で説明しにくい感覚的な違和感も、実物を見せながら伝えられるのは大きなメリットです。購入時の保証書や過去の修理履歴があれば、一緒に持参すると受付がスムーズになります。
正規取扱店経由で依頼する場合
百貨店の時計売り場や正規取扱店を通じて依頼する方法もあります。購入店との付き合いがある場合や、ブティックが遠い場合には便利な選択肢です。流れとしては、取扱店が窓口となり、そこからカルティエのサービス部門へ時計が送られます。
注意点としては、取扱店を経由する分、ブティック持ち込みよりも連絡にワンクッション入る場合があること。ただし、費用や作業内容が変わることはありません。店舗との関係性を重視したい方には、十分アリな方法だと思います。
オンライン・郵送依頼が便利なケース
近くにブティックがない方や、忙しくて来店が難しい方に向いているのが、オンラインや郵送による依頼です。公式サイトからサービス依頼を行うと、専用の梱包キットが自宅に送られてきます。
この方法のメリットは、24時間いつでも申し込みができ、自宅から発送できる点です。事前にモデル情報や症状を入力することで、参考見積もりを確認できるのも安心材料になります。紙の依頼書が不要になるケースもあり、手続き自体はかなり簡略化されています。
共通ポイント:どの依頼方法でも、正式見積もりの提示 → あなたの承認 → 作業開始という流れは変わりません。承認しない限り修理は進まないので、内容は必ず確認しましょう。
受付時に伝えるべき重要な情報
依頼方法に関わらず、受付時に伝える情報はとても重要です。単に「オーバーホール希望」だけでなく、以下のような具体的な症状を伝えることで、見積もり精度が高まります。
- 時間の遅れ・進みが気になる
- リューズ操作が重い、引き出しにくい
- ガラス内に曇りを感じたことがある
- 落下や強い衝撃を与えた記憶がある
こうした情報は、分解後のチェックポイントを明確にし、不要な追加作業を防ぐことにもつながります。「細かすぎるかな?」と思うことでも、遠慮せず伝えたほうが結果的に安心ですよ。
軽い汚れやくすみが気になるだけの場合、オーバーホール前にクリーニングを検討する方も多いです。対応条件や正規メンテナンスとの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。カルティエ時計のクリーニング無料の条件と正規メンテナンスの違い
郵送依頼で特に注意したい点
郵送で依頼する場合は、梱包と発送方法がとても重要です。専用キットが用意されているとはいえ、時計本体が動かないように固定されているか、付属品を入れ忘れていないかを必ず確認してください。
また、配送時の保険や追跡番号の有無もチェックポイントです。万が一のトラブルに備える意味でも、発送後は控えを保管しておくことをおすすめします。大切な時計ほど、ここは慎重すぎるくらいでちょうどいいです。
依頼方法自体に正解・不正解はありません。あなたの生活スタイルと安心感を基準に選びつつ、見積もり内容をしっかり理解したうえで承認する。これが、カルティエ正規オーバーホールを気持ちよく進めるいちばんのコツだと思います。
カルティエ時計のメンテナンスの重要性

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オーバーホールは大きなメンテナンスですが、日常的なケアも時計の寿命に大きく影響します。汗や皮脂を放置すると外装の劣化が進みやすく、内部にも影響することがあります。
私がよく勧めるのは、使用後の軽い乾拭き、保管時の湿気対策、そして防水性能を過信しないことです。パッキンは消耗品なので、日常防水モデルでも長期間ノーメンテだとリスクが高まります。
定期的に状態を見てもらうことで、大きな故障を防げるケースも多いです。結果的に、修理費用を抑えられる可能性もあります。
目安の話:オーバーホール周期は使用環境で大きく変わります。最終的には、正規窓口や信頼できる技師に状態を見てもらうのが確実です。
カルティエ正規のオーバーホール注意点

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正規に依頼する際、意外と見落としがちなのが「どこまで仕上げを求めるか」という点です。研磨を強めにかけたいのか、オリジナルのエッジ感を残したいのか、ここは好みが分かれます。
また、製造から長年経過したモデルやアンティーク寄りの個体は、部品供給の関係で対応が変わることもあります。正規が難しい場合に民間修理が選択肢になることもありますが、断定的な判断は避け、現物を見たうえで相談するのが大切です。
この記事の料金や期間はあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトや正規サービス窓口で確認し、最終的な判断は専門家に相談してください。
まとめ【カルティエ時計の正規オーバーホール料金】
カルティエ時計の正規オーバーホール料金は、モデル名よりもムーブメントの種類や複雑機構で決まり、クォーツで4〜5万円前後、機械式で6〜7万円前後がひとつの目安になります。
部品交換の有無で総額が変わるため、見積もり内容の確認が何より重要です。
オーバーホール期間は6〜12週間程度を想定し、保証や整備履歴の安心感を重視するなら正規は有力な選択肢になります。一方で、コストやスピードを優先する場合は民間修理も検討対象になりますが、条件確認と専門家への相談は必須です。
あなたのカルティエが、これからも長く美しく使える一本であるように。まずは今の状態と、あなたが何を優先したいのかを整理して、納得感のある選択をしてくださいね。


